杉田エースが目指している「設計士サロン」の雰囲気をお伝えするために、「ESTA2009」にエントリーをされた建築設計士の方や、各業界のプロフェッショナルである「特別セミナー」の講師・スピーカーの方へのインタビュー取材を行っています。建築業界と今の時代そのものが抱える問題や課題とその解決の方向性を共有したい想いを胸に、展示会の開催を待つことなく「ESTA2009」は建築設計士の皆さんの目となり耳となり東京の街へ、設計事務所へ、企業へと飛び出しています。
■ 聞き手 ESTA2009設計士サロン運営チーム 石丸雄嗣
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デザインを通じて「何か」を伝えていくということは、寺田さんにとってどのような感覚なのですか?
住宅を設計して、そこに住んで楽しく使ってくれているとか、プロダクトをデザインして、お客様がそれをお店で選ぶ様子を見ると、シンプルに嬉しいですね。デザインしている時は、ボクの中の思いはいっぱい詰まっているのですが、その後のプロダクトの使い方は、その使っている本人に委ねたいという感覚があります。言うなればデザインの「余白」のようなものですね。使い手にもそのデザインなりプロダクトなりに対して、「エネルギー」を使ってもらうことが重要だと思います。そういったきっかけとしての「余白」は、「ちょっと楽しい」とか「ちょっと面白い」とか、そういう小さな驚きがデザインされたものであって良いと思っています。
デザインが持っている「営業的な力」というのは?
仕事の受注に関しては、過去の作品のデザインに興味を持ってもらって始まる事が多いですね。その様な案件は上手くいく傾向にあります。逆に、人の知り合いで紹介されたとか、「あの人(寺田)はいい人」だからという感じでつながった人というのは、デザインなどの感じ方に「ズレ」のある場合があるので注意が必要ですね。過去の作品からこちらが持っているスタイルに共感を持ってもらったお客様との方が良いものを提供できますし、逆にこちらも良い影響を受けて次のステップにいけることが多いです。我々のスタイルや考え方を押しつける訳ではありませんが、デザインを接点にした出会いから「一緒に作り上げていく」ことが楽しいし、幸せになれる感じがします。結果、お互いが「当事者」になれるので。逆に言うと、我々は設計デザイン事務所なので、営業するためのツールは「デザイン」しか無いのですよ(笑)。そういった経験から、「何でも屋」よりは、「絞り込まれた価値」で勝負している方が、お客さんと巡り会うチャンスが高いと思っています。
将来、どんなデザインや案件をやってみたいですか?
難しい話ですね(笑)。昔は電話ボックスのデザインをしてみたかったです。当時、電話ボックスは、街にとって必要なものですし、街をデザインするという事へのその国の意識が出るものだと思っていました。ですから、日常の無意識の中に入ってしまっているもので実は重要、というものを常にデザインしたいと思っています。そういう意味では、ボクは日本のタクシーの色がすごく嫌いなので、「統一タクシーデザイン」というのをやってみたいです。東京の街の雰囲気が変わると思いますし、ビルのデザインをして都市の景観を変えるよりも、タクシーをデザインして都市の景観を変える方が影響力があると思うのです。都市の景観に大きな影響を与えられるデザインをしてみたいですね。
無印良品の「書き込めるメジャー」なども手掛けた寺田さん。ピンクと白を基調としたオフィスからは、さまざまデザイン・アイディアが飛び出している雰囲気を感じました。ありがとうございました。
(有)テラダデザイン一級建築士事務所 にて
てらだ・なおき ■ 建築家/デザイナー
1967年、大阪生まれ。89年、明治大学工学部建築学科卒。89〜91年、Palffy and Associates(オーストラリア・シドニー)勤務。92〜94年、Architecture Association School of Architecture(AA スクール/イギリス・ロンドン)修了。94〜99年個人で活動。99〜03年、明治大学非常勤講師。03年〜、( 有) テラダデザイン一級建築士事務所 設立。一級建築士。
http://www.teradadesign.com |
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どんな設計デザインを得意分野とされているのですか?
基本的に、独立してからの得意分野として「ガレージ付きの住宅」があります。「ガレージライフ」に7年くらいコラムを書いていたので、そこから連絡が来て仕事につながることが多かったですね。ガレージ付きの住宅から、ガレージ付き賃貸マンション、という風に広がっていきました。今は、ガレージ付きに限らず、各クライアントが求めているライフスタイルを「建築的に具現化する」事を念頭に仕事をしています。
クライアントが持つライフスタイルを読みとる上で、心がけていることはありますか?
当たり前の事なんですが、相手の話を「よく聴く」ということ。お客様によっては自身の中で要望が矛盾している場合がありますから、ボクらの仕事はカウンセリング的な意味合いが強いと感じます。お客様の要望を引き出していって、建築として処方していく。もちろん綺麗に作りたいし、ボクらも満足したいので、方向性を共有できる人の依頼でしか受けないことが多いです。そんな中で、最終的に誰が喜ばなければならないかを忘れないでやっていくことが大切ですね。例えば、図面に「線」を1本、引くだけで建物の金額が変わってしまうとき、その線を引くことがお客様のためになるのか?それを考えて引いているのか?、そういうことを自問自答した上で、建築が提供できる本当の幸せを考え抜くよう心がけています。
話が「聞き上手」で、とても柔らかい雰囲気を放つ山本さん。クルマ好きである自らもガレージライフを楽しまれている事務所に明確なコンセプトを感じました。
(有)Kaデザイン事務所にて
やまもと・けんたろう■ 建築家
1966年、宮城県生まれ。87年、国立宮城工業高等専門学校建築学科卒。87年、三菱製紙(株)・工務部入社。92年(株)淺沼組東京本店設計部入社。96年、ケンタロー・アーキテクツ設立。05年、(有)Kaデザインに名称変更。
http://www.ka-design-studio.com |
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ミラノサローネに行くようになった、「きっかけ」はどういったことでしたか?
建材事業がスタートした時に、全体の2割くらいしかなかった海外への輸出を伸ばす事が目標にありました。そこで、海外マーケットの傾向を知る必然性からスタートしたのです。アメリカのマーケットを知るという事から開始して、他の国々のテイストを知るということを行っていました。そうしている内に、海外のデザインをリードしているのはヨーロッパだということに突き当たりまして、当時(1980年頃)から非常に注目をされていた「ミラノサローネ」を見続けることになった訳です。正確には、ミラノとドイツのケルンがその双璧でしたね。毎年、両方を欠かさず見て、分析をして、デザインの開発に活かしてきました。
2009年の傾向を端的に教えてただけますか?
今年は再び「デコラティブ」な方向へもどっている傾向を感じます。2005年にゴージャスなデザインが流行った年があって、その後ベーシックでシンプルな方向へ揺り戻しがあったのですが、また変わってきています。2007〜8年の流れよりも、今年は2010年以降につながるような新しい波を感じました。実は、不景気で期待していなかったのですが、新しさを出そうとする努力が沢山あり驚きました。デザイナーやクリエイターの美意識を強く感じました。
「近年、実際の市場でトレンド化する速度が高まっている」と語る梅崎さん。セミナー当日は、「大きな流れの入口に位置するという今年」という「読み」についてもお話しされる予定です。
(株)トッパン・コスモ 2Fショールーム内にて
うめざき・たけし ■ 特別セミナー講師
1953年、生まれ。武蔵野美術大学 造形学部 工芸工業デザイン学科及び大学院卒。凸版印刷株式会社入社、建材事業部企画部に配属。82年〜、海外デザイン担当。ミラノサローネは、1980年代から継続的に調査を続けている。
http://www.toppan-cosmo.jp |
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